証券会社のセールスをやっておりました。
当時は「セールス=靴底を減らして客先を回る」という根性論が強く、
上司からは毎日100件の飛び込み訪問のノルマを課されていました。
元気よく営業に出て行くものの、
新人の私の話を聞いてくれる見込み客などほとんどおらず、
毎日毎日インターホン越しにセールスを断られる日々が続きました。
実家の両親は私の将来に期待し、学費を工面して、
せっかく私立の大学まで行かせてくれたのに、
当の私はお客様と商談をする機会すらもらえず、
門の前で犬に吠えられながらインターホン越しにセールスをし、
そして断られるというとても情けない日々が続きました。
そんな中、「税理士に相談しますからパンフレットをポストに入れておいてください」という方がおられました。
私はその言葉がとても嬉しくて、祈るような気持ちでパンフレットをポストに投函しました。
数日後、再びインターホンを鳴らし「税理士先生は何と言われてましたか?」と聞くと、
「今回は見送ります・・・」とのこと。
私は、がっくりと肩を落としました。